お題:早朝のベッド
起きたくないけどアラームがうるさいくらいに鳴っている。なんでこんな早い時間にアラームが鳴っているのかわからない。うるさい。寝ぼけた頭で考えていれば、諦めたかのようにアラームが止まる。どうせまた五分もしたらまた鳴るのはわかっているけど、あと五分、もう少しだけこうしていさせてほしい。
次はアラームとは違う音が鳴り響く。着信? こんな時間に誰だと、ようやくスマホに手を伸ばす。
「……もしもし」
「起きろ」
「うーん」
「今日はしっかり朝ごはんを食べて、余裕で通学してくるんじゃなかったのか?」
「……だって、昨日面倒になって、ご飯炊いてないし」
「意味のわかららない言い訳をするな」
朝から聞くには、ちょっと厳しい。もう少し優しくしてくれてもいいじゃん。電話してくれただけで十分優しいのだけれど、もう少しと欲張ってしまう。
「……三十分前に来たら、朝飯奢ってやる」
「ほんと? 言ったからね!」
これみよがしにため息をつかれたけど、そんなのはもう気にならない。朝ごはんを奢ってくれるならば、何が何でも、一限目の始まる三十分前に学校へ行かなきゃならない。とは言っても今起きて支度をすれば余裕だ。
「それじゃ」
「あ、待って」
「なんだ」
「おはよう。あと、電話ありがとう」
「……」
少し無言の後、ああ、とかそんなことをつぶやいて電話を切られてしまった。あいさつくらい返してくれたらいいのに。
風間と話をしたからか、ようやく目が覚めてきた。今日はしっかり寝癖を直して大学に行けそうだ。
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